能『邯鄲』

本日、名古屋宝生会定式能にて、能『邯鄲』を勤めます。

凜太郎が私の夢の中で舞を舞う童子の役。

午前中に申合せ(リハーサル)をして、午後本番です。

昨日、東京の五雲会出演(『祇王』地謡)後、妻と息子と名古屋入りしております。

いざ、出陣!(名古屋能楽堂へ)


怒涛の日々3

前回の続き。

 

これだけのお役が集中することは、名のある方にとっては日常茶飯事かもしれませんが、私の能楽師人生では初めてのこと。本当に光栄なことで、能が大好きな私にとっては、誠に役者冥利につきます。

お弟子さんにお稽古をお付けするのも私の大事な仕事ですが、本業はやはり自分の舞台。それは私のお弟子さんもよくご理解頂いています。

 

こんな時ですから、体調管理には最大の注意を払っています。睡眠と食事には妥協しません。当たり前のことですが、これが若いときはできなくて、度々身体を壊してきました。

 

あとは、筋トレとストレッチ。若いときは、「稽古で身体を作るんだ」などと粋がっていましたが、振り返れば、それも若さに任せていただけ。選手生命を80歳までは保つ目標を持って、日々鍛えています。

 

さて、こんな、自慢だかなんだかわからない、ストイックな話を聞いて、「こいつ変態だな」と思った方、その通りです。

 

何が言いたかったかって、

「ブログのご無沙汰はお許し下さい」m(_ _)m


怒涛の日々2

前回の続きです。

 

『通盛』のツレは、平通盛の妻・小宰相の局役。第一声で夜の鳴門海峡の景色を作り上げなければなりません。他曲には見られない節(メロディー)が数々あり、この役の重要さを表しています。『松風』のツレのように、シテとの同吟が続く、責任ある役で、心して稽古しております。

 

翌週の『邯鄲』は、夢の中で帝王となり、50年の栄耀栄華を極めて大宮殿で舞を舞いますが、夢から醒めるとただ粟の飯が炊ける束の間のことだった、という、「悟り」と裏腹な「無常感」を伴った名曲。凜太郎は、舞人として、私の夢の中に登場して舞を舞います。

 

この『邯鄲』が済んだら、食事の間も無く帰京し、翌朝からイタリアへ発ちます。8日間の旅程で、『翁』の千歳を2回と、『復活のキリスト』のマグダラのマリア役1回。全て家元のシテによる相手役で、光栄なことです。

 

『翁』は、各役とも、1ヶ月乃至7日間の別火精進をして身を清め、肉食・飲酒・女色を避けて臨む、「能にして能にあらず」と云われる神聖な神事の曲。イタリアに行っても、私は残念ながらワインは楽しめません。

 

『復活のキリスト』(宝生九郎作)は、54年振りの上演となる、宝生流公認の新作能。シテはキリストで、私の勤めるツレは、マグダラのマリア役。今回、家元とご相談しつつ、新たな演出を作りあげていく作業に時間をかけました。

今まで、辰巳満次郎師の数々の新作能では、4曲ほど大事なツレを勤めさせて頂いておりますので、少しその経験が役立っているかもしれません。

 

6月末に帰国すると、いよいよ演能空間の『自然居士』に専念。人買いから足許を見られて様々な芸を要求されますが、両親の追善のために我が身を売った少女を救わんと、散々に痛ぶられながらも、芸を見せ続けます。舞うことに生き甲斐を感じる私としては、大変やり甲斐のある曲。

同時上演の凜太郎の能『花月』も、『自然居士』同様、芸づくしで、お客様を楽しませます。


怒涛の日々1

ブログの更新が滞るのには、私にしかわからない理由がありますので、いい訳にしかなりません(まあ、いつものことですね)。

去る5月中旬には、能『巴』を勤め、その後、涌宝会大会(私の社中発表会)の為に、お弟子さんの最後の詰めの稽古。

涌宝会大会にては、私自身も舞囃子『氷室』と『巻絹』を勤めました。

それに加えて、下記の役を並行して稽古してきました。

明日から7月にかけて、更に以下の怒涛の日々が続きます。

 

◆6月11日(日)能『通盛』ツレ(月並能 宝生能楽堂)

◆6月18日(日)能『邯鄲』シテ(名古屋宝生会定式能 名古屋能楽堂)

◆6月21日(水)『翁』千歳(イタリア・ヴィチェンツァ古典フェスティバル オリンピア劇場)

◆6月23日(金)『翁』千歳(イタリア・バチカン勧進能1日目 カンチェレリア宮殿)

◆6月24日(土)復曲能『復活のキリスト』マグダラのマリア役(同上 2日目)

◆7月23日(日)能『自然居士』(第4回 演能空間 宝生能楽堂)

名古屋の『邯鄲』の子方は凜太郎で、演能空間の『自然居士』の他のもう1番は、凜太郎のシテによる能『花月』です。

【つづく】


能『巴』(平成29年5月20日土曜日 五雲会)

来月(平成29年5月)の20日土曜日、宝生能楽堂にて開催の「五雲会」にて、能『巴』を勤めます。

 

女武者・巴御前がシテ(主役)の能。
信濃の国・木曽から琵琶湖畔にたどり着いた僧が、涙を流して神に参る女性(前シテ)に出会います。僧と同じ出身の木曽(源)義仲を祀る神であることを伝え、共に手を合わせます。
やがて日も暮れはじめ、実は自分は義仲の愛妾・巴御前の幽霊であることをほのめかして、草陰に消え失せます(中入)。

僧が夜もすがら読経していると、在りし日の巴御前が長刀をかついだ甲冑姿で現れ、女ゆえ義仲の最期まで供を出来なかった恨みで成仏出来ないことを語ります。僧の前で、敗戦や自害した義仲との別れのさまを語り、回向を頼んで消え失せます。

 

私は、『巴』は初役。「女修羅」と言われ、後シテは長刀を振り回して一騎当千の様を舞うのですが、荒々しくなってはいけないが、女武者としての強さもなければいけない、誠に神経を使う曲だと、改めて感じます。

節付け(作曲)や詞章が大変良い佳作。心して勤めます。

 

『巴』は、13時55分~15時10分の予定です。五雲会は、正午開演、能『養老』、狂言『箕』、能『巴』、能『羽衣』、狂言『蝸牛』、能『石橋』の順です。

入場料は、全自由席で5,000円(学生2,500円)。

 

チケットのお求め、お問い合わせはこちらまで。


「芦の会」仕舞『西王母』(平成29年4月23日日曜日)

芦の会表芦の会裏

今月(平成29年4月)23日(日)午後5時開演、宝生能楽堂にて、「芦の会」が催されます。
(上記チラシをクリックすると拡大表示されます)

 

宝生流職分・柏山聡子氏主宰の個人演能会の、記念すべき第1回。「花めぐり」の副題が付き、様々な花をテーマにした曲が上演され、ご自身は、大曲『石橋(しゃっきょう)』の披き(ひらき。大曲を初演すること)。

 

この催しにて、凜太郎が仕舞『西王母(せいおうぼ)』を舞わせて頂きます。
(私は、地謡で出演いたします・・・)

 

玄人会にて子方に仕舞を舞わせて頂けるとは、何たる光栄。本人も、玄人の一員として自覚しつつ稽古に励んでおります。

この日の為に、新しい紋付・袴も仕立てました。

 

皆さま、是非お運びください!


バチカン勧進能 応援ツアー 前半組・後半組 

イタリア公演の、宝生会企画、JTB取扱の、バチカン勧進能応援ツアーです。

バチカン勧進能応援ツアー(前半組)

 

バチカン勧進能応援ツアー(後半組)

詳細は、上記チラシをクリックしてご覧ください。

お申し込みは4月20日まで。

 


イタリア公演詳細

前回投稿の、イタリア公演の詳細をお知らせいたします。

(本日は、エイプリルフールですが、ウソではありません。)

 

【6月21日 イタリアヴィチェンツァ公演】
能『翁』
シテ 宝生和英、三番叟 茂山千五郎、千歳 和久荘太郎、笛 小野寺竜一、小鼓 上田敦史、飯富孔明、清水和音、大鼓 安福光雄、地謡 武田孝史、野月聡、金森隆晋、川瀬隆士、辰巳和磨、後見 小倉健太郎、田崎甫

能『羽衣』
シテ 金剛龍謹、ワキ 大日方寛、笛 小野寺竜一、小鼓 上田敦史、大鼓 安福光雄、太鼓 澤田晃良、地謡 武田孝史、小倉健太郎、金森隆晋、田崎甫、辰巳和磨、金井賢郎、後見 宇高竜成、和久荘太郎

 

【6月23日 バチカン勧進能1日目】
能『翁』
シテ 宝生和英、三番叟 茂山千五郎、千歳 和久荘太郎、笛 小野寺竜一、小鼓 上田敦史、飯富孔明、清水和音、大鼓 安福光雄、地謡 武田孝史、野月聡、金森隆晋、川瀬隆士、辰巳和磨、後見 小倉健太郎、田崎甫

能『羽衣』
シテ 金剛龍謹、ワキ 大日方寛、笛 小野寺竜一、小鼓 上田敦史、大鼓 安福光雄、太鼓 観世元伯、地謡 武田孝史、小倉健太郎、金森隆晋、田崎甫、辰巳和磨、金井賢郎、後見 宇高竜成、和久荘太郎

 

【6月24日 バチカン勧進能2日目】
能『翁』
シテ 宝生和英、三番叟 茂山千五郎、千歳 田崎甫、笛 小野寺竜一、小鼓 上田敦史、飯富孔明、清水和音、大鼓 安福光雄、地謡 武田孝史、小倉健太郎、和久荘太郎、川瀬隆士、辰巳和磨、金井賢郎、後見 辰巳満次郎、野月聡

新作能『復活のキリスト』
シテ 宝生和英、マグダラのマリア 和久荘太郎、ヤコブの母マリア 田崎甫、笛 小野寺竜一、小鼓 飯富孔明、大鼓 安福光雄、太鼓 観世元伯、地謡 辰巳満次郎、野月聡、金森隆晋、川瀬隆士、辰巳和磨、金井賢郎、後見 武田孝史、小倉健太郎


イタリア公演

桜の便りが聞かれるようになりました。

久々の投稿、サボっていたわけではありません。3月初めの能『吉野静』に向けて、精神が集中していました(言い訳?)。

皆様にご報告。

6月19日より1週間、宝生会主催のイタリア公演に参ります。

ヴィチェンツァにて1公演の後、バチカンにて2公演。

その中で、私は、『翁』の千歳を2回(シテ 宝生和英宗家)、新作能『復活のキリスト』のツレ・マグダラのマリア役(シテ 宝生和英宗家)を勤めます。

詳細は、近日お知らせいたします。


名古屋宝生会定式能(平成29年3月19日 名古屋能楽堂)

昨日、本年第1回の名古屋宝生会定式能が終了致しました。

次回の「第2回名古屋宝生会定式能」は、下記チラシの通り、3月19日(日)開催です(下記チラシをクリックすると拡大表示されます)。

29.3名宝会チラシ表

29.3名宝会チラシ裏

舞囃子2番、狂言、仕舞2番、能、という構成。

玄人(能楽師)の舞囃子を舞台で観る機会は、意外と珍しいものです。

能は、辰巳満次郎さんの『是界 白頭』。「白頭」という、小書(特殊演出)が付いて、格調高くなります。

シテの是界坊は、中国の天狗の首領。悪行を働きかける相手は、日本の天狗の首領・太郎坊(ツレ)。

今回、この太郎坊役のツレを、辰巳満次郎さんのご子息・和磨さんが勤めます。

 

私は、全ての地謡を勤めます。

お問い合わせ・チケットのお申し込みは、こちらまで。