神戸と京都

本日は、神戸と京都でそれぞれ催しの為、新幹線にて移動中です。

六甲学院創立80周年記念の催しにて、新作能『復活のキリスト』を、先ごろのイタリア公演以来の再演。シテはもちろん宝生和英宗家、やはり私はマグダラのマリア役を勤めます。

そして、終演後、急ぎ京都に向かい、有斐斎 弘道館にて、「宗一郎 能あそび」に出演致します。同世代の観世流シテ方・林宗一郎師からお招き頂いた、興味深い催し。どんなことになるのか、楽しみです。

この京都にての「宗一郎能あそび」と、先日お知らせした、明日の東京にての能『松虫』の両方にご来場頂く方もおいでで、心より感謝致します。


JR東海 御中

ゆで卵が大好きです。

 

JR東海道新幹線のキオスクで売っている「タマゴロウ」という商品が、塩加減も抜群。今日も、名古屋から始発での帰京の前に、2個セットを購入して乗り込みました。

 

サンドイッチとJR東海ご自慢の香り高いコーヒーを食した後、楽しみにとっておいたゆで卵をいそいそと取り出し、いざ割ろう、と前の座席のテーブルに打ち付けました。

「あれ、割れない」

重ねて打ち付けるも、全く歯が立ちません。最近のテーブルは柔らかい樹脂製のようです。そうか、いつもならば、窓側に座るから、窓枠に打ち付けて割っていたのでした。

 

他に硬い物がないかとキョロキョロ見回すと、隣の席との間にある肘掛けが目に入り、「よし、これだ」と、「ちょっと失礼します」と隣の方に小声でご挨拶して、ゆで卵を打ち付けると‥、やはり樹脂製で、跳ね返されてしまいます。

早朝にもかかわらず、パソコンで仕事をしている私の両側の方の私を怪しむ目が段々気になってきました。

もう硬い物は辺りに見当たりません。こうなったら、と、自分のおでこに打ち付けたら、みごと、粉々に割れました!

そして、両隣の方の笑いをこらえる気配に気付き、赤面‥。

 

今朝の新聞で、東海道新幹線の新しい車両「N700S」が開発中で、全席の肘掛けにコンセントが付いているとのこと。私的な要望ですが、肘掛けはぜひとも硬い素材で作って下さい。


無事帰国しました

昨日、無事イタリア公演から帰国致しました。

例の自撮り棒を活用した1枚。ヴェネツィアのサン・マルコ大聖堂のクーポラ(ドーム)をバックに。

 

今回のイタリア行では、自撮り棒が大活躍で、かなりの枚数を撮影したのに、自分一人で撮ったのはこれ1枚。あとは、全て仲間の能楽師がいっぱい写っていて、我々には著作隣接権と肖像権の問題がありますので、ここには載せられないのです。

しかし、自分一人だけで撮るって、意外と恥ずかしいものですね。

 

この帽子は、あまりの日差しの強さに、ヴェネツィアで急遽購入したもの。この日のみは終日観光できたのですが、翌日からは『翁』の千歳と、『復活のキリスト』のマグダラのマリア役が控えているので、日焼けするわけにいけません。広幅のを選びました。更に日焼け止めを塗りまくり。

 

ところでこの自撮り棒、往路のトランジットの、フランクフルト空港にて手荷物検査に引っかかり、「何だこれは」と止められる始末(予想はしていましたが)。

 

長く伸ばし、スマホをセットして使い方を示し、決して特殊警棒などの武器ではないことが分かると、笑顔で「OK」と。肝を冷やしました。


能『邯鄲』終演

本日、名古屋宝生会定式能にての能『邯鄲』、お陰様で何とか無事(怪我無く)勤めることが出来ました。

ご多忙中のご来場、誠に有難うございます。

妻と凜太郎と帰京中、やっとひと息つきました。

さて、帰宅したら急いで明日からのイタリア行きの準備です。

本日に引き続き、明日からも満次郎師と一緒です。

嬉しいです( ͡° ͜ʖ ͡°)


能『邯鄲』

本日、名古屋宝生会定式能にて、能『邯鄲』を勤めます。

凜太郎が私の夢の中で舞を舞う童子の役。

午前中に申合せ(リハーサル)をして、午後本番です。

昨日、東京の五雲会出演(『祇王』地謡)後、妻と息子と名古屋入りしております。

いざ、出陣!(名古屋能楽堂へ)


映画『昼顔』

忙しい忙しいって、忙しいフリしてるのに、つい先日映画を観にいってしまいました。

     『昼顔』

世の多くの女性は、ご存知なのでしょうか。テレビドラマの続きの映画です。

深刻なW不倫の話で、斎藤工さんと上戸彩さん主演。これを、平日の朝イチに、しかも妻と映画館に観にいったのです。

不倫のお話なのだから、不倫カップルで行くのが普通では。

しかしね、世の不倫カップルのみなさん、この映画は、決して不倫カップルで観に行ってはいけませんよ(密かに、別れたいと考えている方には鑑賞を強くお薦め致します)。

上演後、照明が明るくなったら、大人の映画にはあるまじき、ポップコーンが大量にばらまかれていました。きっと、恐怖のあまり、放り投げてしまったのでしょう。

私達も、あまりの衝撃的結末に、口あんぐり。夫婦で行くのは、今後の長い人生の「偕老同穴」「比翼連理」の教訓を頂くようで良いかもしれません。

鑑賞後の「ああ、いい映画だったね」という感想はきっと聞けませんが、心にズーンとのし掛かる重荷のような感覚が、人間の本質的なマゾヒズムを刺激する、ある意味での良い映画ではないでしょうか。

男と女でも、感じ方が違う映画だと思います。

その日の客は、9割方女性でした(平日の午前中だから当たり前か)。

しばらくは、和久家は『昼顔』の話で持ちきりです。


怒涛の日々3

前回の続き。

 

これだけのお役が集中することは、名のある方にとっては日常茶飯事かもしれませんが、私の能楽師人生では初めてのこと。本当に光栄なことで、能が大好きな私にとっては、誠に役者冥利につきます。

お弟子さんにお稽古をお付けするのも私の大事な仕事ですが、本業はやはり自分の舞台。それは私のお弟子さんもよくご理解頂いています。

 

こんな時ですから、体調管理には最大の注意を払っています。睡眠と食事には妥協しません。当たり前のことですが、これが若いときはできなくて、度々身体を壊してきました。

 

あとは、筋トレとストレッチ。若いときは、「稽古で身体を作るんだ」などと粋がっていましたが、振り返れば、それも若さに任せていただけ。選手生命を80歳までは保つ目標を持って、日々鍛えています。

 

さて、こんな、自慢だかなんだかわからない、ストイックな話を聞いて、「こいつ変態だな」と思った方、その通りです。

 

何が言いたかったかって、

「ブログのご無沙汰はお許し下さい」m(_ _)m


怒涛の日々2

前回の続きです。

 

『通盛』のツレは、平通盛の妻・小宰相の局役。第一声で夜の鳴門海峡の景色を作り上げなければなりません。他曲には見られない節(メロディー)が数々あり、この役の重要さを表しています。『松風』のツレのように、シテとの同吟が続く、責任ある役で、心して稽古しております。

 

翌週の『邯鄲』は、夢の中で帝王となり、50年の栄耀栄華を極めて大宮殿で舞を舞いますが、夢から醒めるとただ粟の飯が炊ける束の間のことだった、という、「悟り」と裏腹な「無常感」を伴った名曲。凜太郎は、舞人として、私の夢の中に登場して舞を舞います。

 

この『邯鄲』が済んだら、食事の間も無く帰京し、翌朝からイタリアへ発ちます。8日間の旅程で、『翁』の千歳を2回と、『復活のキリスト』のマグダラのマリア役1回。全て家元のシテによる相手役で、光栄なことです。

 

『翁』は、各役とも、1ヶ月乃至7日間の別火精進をして身を清め、肉食・飲酒・女色を避けて臨む、「能にして能にあらず」と云われる神聖な神事の曲。イタリアに行っても、私は残念ながらワインは楽しめません。

 

『復活のキリスト』(宝生九郎作)は、54年振りの上演となる、宝生流公認の新作能。シテはキリストで、私の勤めるツレは、マグダラのマリア役。今回、家元とご相談しつつ、新たな演出を作りあげていく作業に時間をかけました。

今まで、辰巳満次郎師の数々の新作能では、4曲ほど大事なツレを勤めさせて頂いておりますので、少しその経験が役立っているかもしれません。

 

6月末に帰国すると、いよいよ演能空間の『自然居士』に専念。人買いから足許を見られて様々な芸を要求されますが、両親の追善のために我が身を売った少女を救わんと、散々に痛ぶられながらも、芸を見せ続けます。舞うことに生き甲斐を感じる私としては、大変やり甲斐のある曲。

同時上演の凜太郎の能『花月』も、『自然居士』同様、芸づくしで、お客様を楽しませます。


怒涛の日々1

ブログの更新が滞るのには、私にしかわからない理由がありますので、いい訳にしかなりません(まあ、いつものことですね)。

去る5月中旬には、能『巴』を勤め、その後、涌宝会大会(私の社中発表会)の為に、お弟子さんの最後の詰めの稽古。

涌宝会大会にては、私自身も舞囃子『氷室』と『巻絹』を勤めました。

それに加えて、下記の役を並行して稽古してきました。

明日から7月にかけて、更に以下の怒涛の日々が続きます。

 

◆6月11日(日)能『通盛』ツレ(月並能 宝生能楽堂)

◆6月18日(日)能『邯鄲』シテ(名古屋宝生会定式能 名古屋能楽堂)

◆6月21日(水)『翁』千歳(イタリア・ヴィチェンツァ古典フェスティバル オリンピア劇場)

◆6月23日(金)『翁』千歳(イタリア・バチカン勧進能1日目 カンチェレリア宮殿)

◆6月24日(土)復曲能『復活のキリスト』マグダラのマリア役(同上 2日目)

◆7月23日(日)能『自然居士』(第4回 演能空間 宝生能楽堂)

名古屋の『邯鄲』の子方は凜太郎で、演能空間の『自然居士』の他のもう1番は、凜太郎のシテによる能『花月』です。

【つづく】


涌宝会大会 盛会にて

ご無沙汰しています。

いつ見ても、ブログが更新されないとのお声をかなりの数、頂いております。「また気が舞台に向かって集中しているのだな」とか、「元気な証拠」と思って頂ければ幸いです。

さて、取って付けたようですが、

先日、6月2日(金)・3日(土)と2日間に亘り、名古屋能楽堂にて「涌宝会大会」が盛会裏に催されました。

ご出演の会員の皆様には、能2番、他、舞囃子・独調・仕舞・連吟などで、日頃の稽古の成果をご披露頂きました。

ご助演の能楽師の皆様には、心より感謝申し上げます。