せんせい

今日は、名古屋能楽堂にて恵美寿会(えびすかい。衣斐正宜師ご社中発表会)の助演。

 

主宰の衣斐師の芸歴から考えて言わずもがな、みなさん年功を積まれた舞台成果とともに、能を人生の伴侶として楽しんでいらっしゃるのがよく伝わりました。

また、ベテランばかりのなかに、私よりもずっと年長の初舞台の方もいらっしゃるのが素晴らしい。社会的地位や一芸を成した方がまた一から新しい稽古事を始めようというのですから、「生き方」として見習いたいと思いました。

先日のSAMさんもそうですが、還暦近くなっても謙虚且つ常に進化している人生の先輩に触れると、はたして自分が還暦近くになったときに、そのような柔軟な境地に達することができるのか、と最近自問自答しています。

 

年ごとに、あきらめが早くなったり、思考が凝り固まっていくように感じる自分を省みます。

 

この世界、若いうちから「先生」と(表向きは)もてはやして頂きますが、自分のお弟子さん以外の歳上の方から言われると、いまだになんだかむずがゆい(「先生」と言われることが好きな方もいらっしゃいますがね)。

やはり先に生まれている方は私の「先生」です。


油断なく

今回の台風19号、我が家は重装備した上で、ほぼ何事も無く無事でしたが、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

月並能は、予定通り開催しました(私は能『六浦』の地謡)。

今後も毎年油断しないように、心に留めておきます。


ご無事を祈ります

超巨大な台風19号上陸に備えて、皆さん厳戒態勢を敷いていることと思います。

我が家も、庭や玄関からの浸水を防ぐために、朝から土嚢ならぬ水嚢を作って積んだり、窓ガラスのサッシに新聞紙を詰めて、養生テープでブルーシートを張るなど、さまざま対策をしております。

どうか皆さんご無事で。


愛知教育大学能楽部

今日は、愛教大(愛知教育大学)能楽部の稽古の後、やっと東京行き新幹線にて帰宅中。

 

愛教大は、私の常宿から電車だと少し遠回りとなり2時間弱かかるところ、車ならば約40分間。カーシェアで車を借りて、月2回指導に参ります。

 

竹内 澄子師から引き継いで3年目。当初部員は2人しかいませんでしたが、学生さんの懸命な勧誘活動により昨年は3人入部、今年は5人入部して、計10人に。良い流れが出来てきました。

 

愛知県立大学能楽部と連携して活動していますので、お互い良い仲間で刺激になるようです。

 

2月の名古屋能楽堂にての発表会「学生 能・狂言の会」に向けて、皆稽古に励んでいます。


富士山

今日は、名古屋にて早朝からある催しの申合せの為、始発の新幹線。そして夕方からは奈良・興福寺塔影能に出勤(能『井筒』地謡)。

 

新幹線車窓から撮影。雪の無い、尾根と稜線がくっきりした富士山。年に約100回新幹線に乗っていますが、こんなのはまず見られません。

昨日は、山梨県側からこの富士を見ていました。武田神社の能舞台から見下ろす富士も格別ですが、静岡県側から見上げる富士も素晴らしく、甲乙つけがたし。


山梨文化学園 謡の団体稽古

今日は、甲府のお弟子さんの稽古。

 

甲府では日帰りで、山梨文化学園にての、謡の団体稽古の後、武田神社にて個人稽古。

この山梨文化学園の稽古も、はや5年程になります。月1回1時間を半年間全6回で、一番(一曲)を一通り稽古します。

団体稽古の良さは、みんなと一緒に謡っているうちになんとなく謡えるようになってくるところ。1人で謡うのは恥ずかしい、という方も、小さい声でみんなで謡って楽しめば良いのです。

その先へ行きたくなったら、個人稽古にお越しいただきます。団体稽古、個人稽古両方の良さがあります。

今日からまた新しい曲『吉野静』が始まります。現在約10名の講座生。まだ40名はお越し頂けます。甲府近辺の方は、ぜひ一度ご見学にお越しください。

詳しくは、山梨文化学園ホームページへ。


いつも良い子じゃありません

今日は、飛鳥舞台(拙宅舞台)のお弟子さんの稽古の後、久良岐能舞台のお弟子さんの稽古。

 

「いつご飯食べてるんですか?」

 

と、よく聞かれますが、ちゃーんと3食食べてます。特に私は、食べないとエネルギー切れでパワーが出ないタチなので、何をおいても食事は大事にします。

でも、どうしても食べられないときは、カバンに忍ばせた非常食を食べて飢えを凌ぎます。チョコレート、ラムネ、カロリーメイトが定番。

バナナを忍ばせることもありますが、先日は、名古屋→自宅→京都→大阪→自宅→名古屋→自宅と持ち歩いて結局食べなくて、自宅でリクガメにあげたことも‥。

夜は、逆流性食道炎のケがあるので、遅い時間は消化の良いものを控え目に。食欲は旺盛なのに。これがツライ。

だから、出来るだけ18時頃までに食べ始めて沢山の量をいただきたいのですが、これもなかなか難しく。

でも、大事なヒトと会うときは別。逆流性食道炎なんかなんのその。一緒に飲んで食べて午前様(死語?)なんてことも月に何度かは。

たまにはカラダに負荷をかけて、鍛えてやらないとね。


文化庁 学校巡回公演

本日は、日帰りで埼玉県岩槻市のある小学校の文化庁巡回公演能『黒塚』に主後見にて出演。

 

この公演も、宝生流としては2年目になりますが、回を重ねるにつれて常に進化しています。

どうやったら子供たちを飽きさせないか、より興味を持たせることができるか、ということを、「影向社」(舞台設営会社)の社長さんや宝生宗家をはじめ担当の能楽師が密に話し合って、より良いものにしようと頑張っています。

こちらはいつも同じ『黒塚』でも、観客(参加者)の子供たちにとっては生まれて初めて観る『お能』。だから、我々出演者各役も気を抜かずに、真剣に毎回舞台を勤めます。

我々にとっても、勉強の場を与えられていることに若手は皆感謝しています。良い流れです。


人柄

昨日の芝宝会(佐野 登師ご社中発表会)パーティーにての一こま。SAMさんを囲んで。(私の顔が赤いのは美味しいお酒のせい)

 

初舞台にて舞囃子『鞍馬天狗』を舞われたSAMさん。さすが、言うまでもなくダンスで培われた体幹。また、何よりも感服したのが、これほどの有名人にもかかわらず、謙虚で心底真面目なところ。その道で大成した方にお会いすると皆同じ印象を受けます。能の舞台姿にも人柄が表れていました。見習わなければ。

 

佐野 登師は、時代を見据えた大プロジェクト、且つ地道な活動をなさっていて、年毎の会の発展に感服します。私が10代の昔から、折りに触れお考えを教えていただきますが、その主張は今も全く変わらない筋金入りで、ちゃんと計画を実現していらっしゃいます。私より15歳上とは思えないバイタリティ。見習わなければ。

 

良い刺激を受けました。


エスカレーターと能の拍手 一考察

最近、このポスターに目が行きます。

このキャンペーン、形は多少違えど全国展開しているようです。これはうまくいけばとても良いことだと思いますが、どうやらなかなか普及しませんね。

片側空けの歴史は結構古いそうで、日本はもとより海外でもわざわざマナーとして啓蒙(または自然発生的に)して普及したようですから、意識改革は容易ではないようです。

 

昨日は、ある仕事で大阪の日帰りだったのですが、彼の地でも全く普及していません。

私の知る限りでは、名古屋は比較的他の地よりもこの新マナーが見られる場所が稀にあります。

東京は、といえば、ほとんど見られません。

 

エスカレーターの歩行が原因の事故が年々増加しているので、真剣に考えなければならないと思います。が、あまり急いで強く推進すると、この件に関する考え方の分断が起こりそうでなんだか嫌だなと思っています。

 

この事例に似ていると感じるのが、能の拍手のマナー。初めて能をご覧になる方は、どこで拍手をして良いかわからない、というお声が必ずありますので、昨今は事前解説の中で提案することがありますが、そもそも拍手の決まりなんかないはず。

 

権威主義は全てが否定されるものではありませんが、例えば「本来は拍手は日本の文化ではないから、しないのが本当」と言ってしまうと、思わず感動のあまり拍手をしてしまった方(またはその注意を偶々聞いていなかった方が拍手をしてしまったとき)に、それ以外の多数のお客様はその方にかなり冷ややかな視線を浴びせることになります。

これは、実際に私も何度か見ている(観客として座席に座っているときにも)ことで、能をせっかく楽しくご覧頂きたいのに、お客様の中で分断が起こり、イヤな空気が流れてしまうのはとてももったいないことです。それ以来、私は拍手のことは明言しないようになってしまいました。

(もっとも、演者の側が拍手についてお客様にとやかく言うことがおこがましいのでは、と最近思います。ここは、演者ではない側の、金子直樹氏のような柔らかい語り口の解説者がご提案、という形でお話しをするのが良いかと。)

 

都内のある能楽堂の主催公演では、徹底してまるでお客様が教育されているかのように、演者が全て幕に入ってから拍手が起きることがほとんどで、マナーの良さに感服しますが、実は内心、なんとなく違和感を感じております。いわゆる、「同調圧力」という臭いを感じてしまうからでしょう。

 

エスカレーター問題でも、新マナー普及のスピードが意識改革に追いつかないと、いずれエスカレーターを歩行する人に罵倒する人が出るなどのトラブルが発生するのでは、と心配するのは杞憂でしょうか。