6月6日(土)10周年記念 涌宝会大会

今週土曜日の6月6日、水道橋・宝生能楽堂にて、私の社中発表会・涌宝会の10周年記念大会を催します。涌宝会として初めて、宝生流本拠地での開催。苦節10年、やっと念願が叶いました。

能2番、一調1番、舞囃子15番、独鼓3番、素謡・連吟・仕舞多数。私は、最初に番外一調『東北』を大鼓・亀井広忠氏にお相手願い相勤めます。

以下に能2番の番組を。


〔13時〕
能『加茂』
シテ 神谷恭子
ツレ 佐藤まりな
天女 岡田真理
ワキ 御厨誠吾
ワキツレ 野口能弘・野口琢弘
アイ 高野和憲
笛 藤田次郎
小鼓 大山容子
大鼓 國川純
太鼓 加藤洋輝
後見 影山三池子・和久荘太郎・土屋周子
地謡 辰巳満次郎・山内崇生・野月聡・小倉健太郎・内藤飛能・辰巳和磨・朝倉大輔・渡邊陽介


〔16時10分〕
能『鵜飼』
シテ 森下光
ワキ 宝生欣哉
ワキツレ 大日方寛
アイ 高野和憲
笛 一噌幸弘
小鼓 大倉源次郎
大鼓 亀井忠雄
太鼓 大川典良
後見 宝生和英・和久荘太郎
地謡 大坪喜美雄・辰巳満次郎・佐野登・小倉伸二郎・澤田宏司・辰巳大二郎・金森隆晋・菊池尚希


能『加茂』のシテ、神谷恭子さんは、白百合女子大の能楽サークルで熱心に稽古し、卒業後社会人でのブランクを経て、名古屋の稽古場で私の門を敲いてくれました。
持ち前の集中力と熱心さで、能らしい、強い舞台が期待できそうです。
本後見には、白百合時代の先生、影山三池子師を迎え、文字通りシテの後ろから温かく見守ってくれます。

前ツレの佐藤まりなさんは、名古屋市立名東高校の能楽研究部に3年生から入部して以来稽古を続け、この度初面・装束。緊張していることでしょう。
涌宝会の歴史は、公には10周年と言っていますが、実はお弟子さんの稽古自体は15年ほど前からしています。発表会も、浴衣会・謡初など、内輪の会をその時から続けています。私25歳の内弟子時代、家元の故宝生英照先生からお許しを頂き、名東高校と岡崎の稽古から始めました。その時から稽古しているのが佐藤さんで、現在もご本人はお若いのですが、私の一番古いお弟子さんと言えます。

天女(後ツレ)の岡田真理さんは、愛知教育大学の能楽サークルで佐藤耕司師(名古屋在住職分で、私の元々の師匠)の稽古を受け、佐藤まりなさん同様、15年前に岡崎の稽古を始めた時からのお弟子さん。既に、涌宝会にて能2番(花月・枕慈童)を舞っていて、近年教授嘱託免状も取得したベテランですが、袖を翻すような女性らしい役をまだしたことがないということで、今回、「加茂だけに」白羽の矢を立てました。可愛らしく清々しい天女が期待できます。

能『鵜飼』の森下光さん。この方は、能楽界では流派・玄人・素人問わず有名人です(私よりも・・・)。幼少時から、親御さんやおばあさまに連れられて能楽鑑賞に親しみ、今も能を心の底から愛していて、能の面白さを世の中に広く伝えようとする伝道者で、私のことも(ついでに?)宣伝してくれて、腹心として欠かせぬ存在です。岡田さん同様、近年教授嘱託免状を取得して、稽古年数は驚くほど短いのですが、「立場が人を作る」を実践して、驚異的なスピードで実力を付けて、今回初能・初面・初装束に臨みます。

 

その他にも、ご紹介したい方が大勢います。
ぜひ、当日お運びください。

入場無料、9時半開演、出入り自由です(録音・撮影は禁止)。

番組は、当日受付にてお渡し致します。