道徳の授業

いわむら城址薪能のあと、岡崎と名古屋でお弟子さんの稽古をして、最終の新幹線で帰京中です。

今回も名古屋の常宿滞在34日でしたが、初日の夜は、これまで長年泊まっていて初めて、というくらい騒がしい宿泊客によって睡眠を妨げられてしまいました。

繁華街から少し離れた静かな立地と、スタッフの素晴らしい対応、朝食も美味しく、夜のラウンジは独り心の洗濯に毎夜足を運びたくなる落ち着いた雰囲気。そんなホテルなのですが、今回はたまたま団体客の喧騒にやられてしまいました。

翌日のいわむら城址薪能では、道中長距離運転があり、舞台出演内容もかなりハードなのでしっかり睡眠をとりたかったのですが、23時頃から廊下を走り回る音や、いくつかの部屋の扉を開けたまま大声で話したり、歌ったり、叫んだり、笑ったり。なにやら罰ゲームのようなこともやっているよう。

直接言おうか迷ったのですが、トラブルを避けるためにフロントに電話して対応をお願いしたら、各部屋扉を閉めてくれて一時的におさまりました。しかし、結局1時過ぎまで話し声や笑い声が壁を通して聞こえて、寝られずに苦しみました。再度フロントに電話して、部屋を変えてもらえないかお願いしましたがあいにく満室で不可。

で、翌朝。6時代からまたもや大きな笑い声で目が覚めました。みんな元気だねえ‥。若いねえ。

朝食の為フロントを通りかかると、スタッフさんがすぐに平謝りしてくれて、今日からは部屋を変えてくれるとのこと。いやいや、ホテルに落ち度はありませんよ。誠意のある対応をして頂きました。たまたま巡り合わせが悪かっただけ。いや待てよ、ここでフッと我が身を省みました。

もしかして、私も自分が気付かないだけで、似たようなことを普段やっていないのだろうか、と胸に手を当てました。夜遅くまでテレビを見て大笑いしたり、朝から謡を謡ったり(小声ですが)。うーん、今後は気をつけようと思いました。

みんな誰もが「立場変われば人変わる」。車を運転すれば「自転車のマナーが悪い」と。自転車に乗れば「車が危ない」と。まず自分の目線に引き込むことは人間のならいでしょう。だから、相手の立場に立つ「想像力」が必要なのですね。国際関係も同じ。

こういう考え方が歳を重ねるごとに徐々に深まっているので、若者の大騒ぎにもあまり腹も立たないし、自分もこれからは気をつけようと思いました。

以上、道徳の時間でした。