来年の「和久荘太郎 演能空間」 (平成26年9月21日)

去る9月22日(日)に無事に終了しました、自主公演「和久荘太郎 演能空間」、来年(平成26年)は、9月21日(日)に同じく名古屋能楽堂にて以下の番組を計画しております。

 

能『葵上(あおいのうえ)』

シテ(六条御息所) 和久荘太郎
ツレ(照日御子)  髙橋 憲正
ワキ(横川小聖)  宝生 欣哉
ワキツレ(臣下)  御厨 誠吾
アイ(所の者)   野村又三郎

 

舞囃子『橋弁慶』

シテ(武蔵坊弁慶) 辰巳満次郎
子方(牛若丸)   和久凜太郎

 

他、狂言・仕舞

 

能『葵上』は、現時点の私にとって挑戦曲。
既に勤めた『黒塚』『道成寺』同様、女の鬼の面を掛けた「祈(イノリ)」という囃子事・所作事が見どころですが、六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)という、元春宮妃(皇太子妃)である高貴な方の、光源氏とその北の方(正妻)の葵上に対する女の嫉妬・情念を、ある程度気品をもって強く表現しなければなりません。

ツレの照日御子(てるひのみこ)に、後輩ながら密かにライバル視している髙橋憲正氏をお願いしました。
憲正氏とは、奇しくもこの同じ週の6日後(9月27日土曜日)に、東京・水道橋・宝生能楽堂にての「時の花」という宝生流の企画公演にて、『乱・和合』という大曲で共演(競演)します。

『乱・和合』は、『猩々(しょうじょう)』の小書(こがき。特殊演出)である『乱(みだれ)』の更なる小書で、猩々が2匹登場し、乱の相舞(あいまい。シンクロ)を舞います。観世流でいう、「双之舞(そうのまい)」に相当しますが、ただ同じ舞を舞うのではなく、正面から見て鏡写し(線対称)に舞う点など、他流の演出に比べてかなり複雑。宝生流の小書は、種類が少ないのですが、このように演出が特に難しくなる傾向があります。

ワキの横川小聖(よかわのこひじり)は、ワキ方下掛り宝生流の名手、宝生欣哉氏にお相手いただきます。

 

舞囃子『橋弁慶』は、凜太郎のお相手を御大・辰巳満次郎氏にお願いしました。
長刀を振るう大男・弁慶の攻撃を、牛若丸が小賢しく蝶鳥の如くひらりとかわし太刀を振るい、遂には降参させます。

これらの囃子方も、名古屋ではなかなか見ることの出来ない組み合わせで計画進行中。

 

どうぞ、来年にご期待ください!