オンライン稽古①

ご存知の通り、能楽界(能・狂言)もご多分に漏れず、全ての流派が舞台活動を自粛しており、私自身も3月から今に至るまで、悉く舞台出演が無くなってしまいました。この先も8月頃までの舞台出演の多くが既に中止・延期の連絡を受けており、全く先が見えない状態でしたが、本日の緊急事態宣言全面解除の報により、今後少し変わってくるのではと期待しています。

自粛開けで最初の舞台が、6月20日(土)五雲会の能『善知鳥』のシテ。入場制限をして慎重に開催するとのこと、張り切ってまいります!

 

ところでこの期間、お弟子さんの稽古もままならず、名古屋・岡崎・甲府・横浜、そして名古屋の学生3校(愛知教育大学・愛知県立大学・名東高校)も全て4月からは中止。自宅である東京の飛鳥舞台の稽古に来られるお弟子さんも日に日に減少。唯一稽古に伺い続けたのは桐生の稽古場。カーシェアリングで車を借りて、感染に気を付けて高速道路を往復。普段は月1回しか伺えないのですが、この時とばかり、月2回伺い続けました(ご迷惑だったかも?)

 

このようななか、お弟子さんから「オンライン稽古」のお勧めがあり、当初は思いもよりませんでしたが、学生さんを実験台に始めてみると、意外に皆さん好評。

「顔を見ながらだと、しっかり稽古をしてもらっている感じがする」とか、

「通常の稽古同様、緊張する」

などという感想をいただき、4月の末頃からお弟子さんお一人ずつ実験をして、当面これで稽古となり得るか(また、お月謝を頂戴するに値するか)体験していただき、ほとんどの方がオンライン稽古に移行していただくことができました。

 

さすがに仕舞の稽古は難しく、謡のみに特化。「緊急事態宣言期間」イコール「謡の強化期間」としてご納得いただいています。実際、皆さんこの機会に更なる上達を感じます。

 

3校の学生さんだけで30人弱稽古しますので、なかなか骨が折れます。学生さんは、もちろん仕舞は個人稽古ですが、謡はどうしても団体稽古になってしまうので、この個人稽古ができる機会に、普段伝えられない基礎をしっかり作ってあげたいと思います。