飛鳥舞台
昨年10月に、縁あって新居を買い求めました。といっても、築約50年(!!)の鉄筋コンクリート作り。最低限のリフォームをして、大事に住もうとしています。
今まで子供が住んだことが無かったそうで、膝くらいの低い窓にもかかわらず、手すりが全くありませんでしたので、約15ヵ所に取付け。網戸も全てに取付け。
部屋のドアも10ヵ所ほど取付け。
書斎にする部屋は、床に傾きがあったために板を張り直してカーペットを敷き、すっかり事務所らしくなりました。
さてこの家、眼目の「能舞台」が3階にあります。この為にこの家を無理して買ったのです!舞台に目がくらんでしまったのでした。既に故人の観世流の方がお建てになり、桜の名所・飛鳥山公園が程近いことから、「飛鳥舞台」という名前が付いておりますので、看板と共にそのまま使わせていただくこととしました。
さてその舞台の修繕ですが、上の舟形天井と、3本の柱、橋掛りの欄干をクリーニングし、土壁(聚楽)を左官屋さんが塗り直し、舞台照明を付け替えました。
見所(客席)の畳も、床から張替えです。
あと残るは舞台の板です。相当良い檜と見ていますが、50年も経てば木は痩せて、間の溝が広くなっていますので、以前宝生能楽堂の舞台をそうしたように、一度剥がしてヤスリをかけ、板を寄せてはめ込み、端に新しい板を補充する、という工事をそのうちしたいと考えていますが、莫大な費用がかかりそう。何年も先の楽しみに取っておこうかな(強がり)。
この家、ハシゴのような急階段で、能楽師として足腰を鍛えるには持ってこいです(強がり)。
掃除も大変ですし、いろいろ難点はありますが、念願の舞台を手に入れて、意気揚々として毎日稽古(?)に励んでいます。
以前の家では、お弟子さんの仕舞の稽古は狭いフローリングで我慢していただきましたので、皆さんも殊の外お喜びのようです。