草花の枝
5月14日(土)五雲会(宝生能楽堂)にて勤めます、『雲雀山』の後シテが持つ、草花の枝です。
シテ・侍従の乳母は、春の草花を手折り、里へ下りてこれを売ることで、中将姫を養います。
今回、自ら作成しました。
根津神社のつつじを見に行った際に、近くに造花屋さん「華工芸」を見つけ、ふと思い立って、和花を求めて中へ入りました。
店主に聞くと、和花はあまり出ないので、種類は置いていないとのこと。
それでも、浅草橋の問屋街にも負けないほど、出来の良い和花が置いてありました。
このように毎回作る訳ではありません。普通は、宝生会のお蔵に常備してある物を使わせていただくのですが、実は、現在水道橋の宝生会で使っている草花の枝も、内弟子時代の15年程前に私が作ったもので、当時は、「見た目」を重視してしまったために、かなり重くなってしまい、以後『雲雀山』を舞う方には、つらい思いをさせてしまいました(まさかそれを自分が使うことになるとは夢にも思わず)。
今回のコンセプトはもちろん「軽さ」。最近の造花には、細くとも芯に針金が入っていますので、それがたくさん集まると思ったより重くなるのですが、工夫をして、軽量化に成功しました。
形状も、前作は遠目に見ると、棒の先に花丸がついたような、チュッパチャプス型だったのを、花束型に改良。
さて、これが舞台上でどのように見えるか。
全ては芸次第、という声も真摯に受け止めて、稽古に励みます。