ついでに・・・
明日3月10日(日)は月並能にて、凜太郎が『善知鳥』の子方を勤めます。
シテは、以前も『三井寺』でご丁寧なご指導をいただいた金森秀祥師。『三井寺』では母親役でしたが、『善知鳥』では父親役(しかも幽霊)。
『善知鳥』は、昨年、立春能にて影山三池子師のシテで勤めております。
昨日の申合せを見て、昨年よりは少し成長したかな、と感じました。
実は今月から来月にかけて、凜太郎はお役がかなり重なっており、計画的に稽古しておりますが、父としては心配でしようがありません。
明日の『善知鳥』が済むと、
4月2日(火)にNHKFMの「能楽鑑賞」にて放送予定の素謡『唐船』の子方(日本子)の録音(シテ・金井雄資師)。
4月6日(土)は国立能楽堂定例公演にて、『高野物狂』の子方(シテ・渡邊荀之助師)。
4月20日(土)は五雲会にて、『桜川』の子方(シテ・渡邊茂人師)。
日が近いのと、『善知鳥』以外すべて初役なので、かなり気を遣います。
特に『唐船』の録音は、デジタルで永久に残ってしまいますので、誤魔化しがききません。
通常、素謡は子方の役も大人が勤めますが、今回は本物の子方で録音してほしいというNHKのご要望による、有難いお話。
ラジオの録音は、必ず謡本(能の台本)を見て謡うのですが、まだ幼稚園児なので読めませんから、特別に凜太郎用に作った本で稽古。
しかも、シテとの同吟もありますので、ご迷惑はかけられませんから、連日、稽古、稽古です。
まだ小さいので、無理をさせてはいけないとは常々考えておりますが、お役を頂くのは大変光栄なことですし、ある時凜太郎が不意に、
「おとうさん、ぼくに来たお役のお話は、絶対に断らないでね。」
と言ったことがあるのです。
稽古では当然泣くこともありますが、母親がしっかりと抱きとめて、役割分担で乗り切っています。
少し不安なのは、だんだん「お父さんは結構ですから」と頼まれることが出てくるのでは、ということ。
お願いですから、セットで頼んでください。ついでで結構ですので・・・。